日本酒品評会での展示作品をまとめた本です。日本酒造りの全工程をビジュアル化していますが、品評という特殊な場なので、お酒作りの工程をストレートに表現するのではなく、数百年前の弟子が師匠の動き見て、また、考え方を想像しながら学んでいたようなイメージで、杜氏の頭の中を覗き、思考の過程で瞬間的に浮かぶ考えを読み取るというコンセプトで制作しました。品評会は酒造りの全工程のグラフィックが会場を彩ることで妖艶な雰囲気に演出されており、終日大盛況となり用意していた時間も即日満席、追加で時間枠を設けるなどに至りました。テーブルに配置されたこの本を1ページづつめくりながら試飲を楽しむということは、壮大な工程を垣間見ながら試飲することに直結し「インスピレーションが湧いた」「酒の味だけではなく背景までを感じ取ることができ、味覚だけではなく、全感覚・神経が研ぎ澄まされた」など、感覚のアップデートと心や体が整うといったコメントを、90パーセント以上のお客様からいただくという新しい発見につながった。